「家族入浴は混浴、ダメ」兵庫県の指導に公営浴場反発(asahi.com)

昨日テレビでこういうニュースやってたよと、友人が教えてくれたので、ちょっと調べてみました。

こういうニュースとは以下。



「『家族入浴は混浴、ダメ』 兵庫県の指導に公営浴場反発」
兵庫県が「家族風呂」のある公営の6浴場に家族が一緒に入浴するのは「混浴」であり、認められない、という指導をした。
 兵庫県の条例では6歳以上の男女混浴を禁じているが、近隣府県は「風紀が乱れるおそれはない」として家族風呂の設置を認めているところもある。
兵庫県から指導を受けた浴場は「理解に苦しむ」と反発。無視して営業を続ける方針を打ち出したところもある。


 ことの発端は、兵庫県小野市が5月中旬、公営の浴場に介護目的で設置している「貸し切り風呂」を、家族でも利用できるようにしたい、と県に相談したことからはじまった。県公衆浴場法基準条例は、介助目的や水着着用の場合をのぞき「6歳以上の男女を混浴させないこと」と定めており、同県生活衛生課は変更を認めなかった。対して小野市は「家族風呂はほかにもある」と反論。


 このことから県がすべての公衆浴場を対象に調査したところ、三木、豊岡、宍粟の3市と新温泉町の、少なくとも六つの公営施設に家族風呂のあることがわかり、県は8月下旬、混浴を禁止し、「家族風呂」の名称を変えるよう、6施設に指導した。
 家族風呂のある温泉施設「吉川温泉よかたん」を三セクで運営する三木市の薮本吉秀市長は、8月下旬の会見で「これまで何の指導もなかったのに、突然の使用禁止は理解に苦しむ。今後ともこれまでの営業方針を続けていきたい」と反発し、他の施設も「許可申請の段階で家族風呂について明示しており、今更指摘されても…」と戸惑いを隠せない。


 兵庫県の条例には「知事が公衆衛生上支障がないと認める場合」に、混浴制限などを緩和できるとの定めがある。しかし、県生活衛生課は家族風呂について「『家族』には、事実婚夫婦別姓などさまざまなかたちがある。本当に家族なのかどうか確認が困難で、風紀を保てない」と判断。あくまで認めない構えだ。



 また大阪府も条例で浴室を男女別々にすることを定めているが、公衆浴場経営許可基準を改正し、浴場側が入浴者と直接面接できることなどを条件に、今年7月20日から、同一家族が一緒に入浴する家族風呂などの設置を認めた。同府環境衛生課の担当者は「家族風呂のニーズは強まっており、設置許可で風紀が乱れるおそれもないと判断した。全国で十数県は家族風呂を認めているのではないか」と話す。


 滋賀県も条例で「8歳以上の男女を混浴させないこと」と定めているが、「知事が風紀上支障ないと認めるときは適用しないことができる」との項目を適用し、96年4月から家族風呂を認めた。



記事はここまで。



混浴についてはもうあまり話したくないのだけれど、簡単にざっくりと少し説明します。
公衆浴場をめぐる混浴が問題とされたのは、幕末に日本に西欧人がやって来てから。
それまで日本人にとって混浴(混浴と対のように問題化された裸体露出も)は、さほど「珍しい」ものでも「おかしな」ことでもなかった。外からきた外国人には日本人の入浴習慣も含めて、混浴は信じがたいこと(キリスト教的背景)でもあり、人によってはそれを「野蛮」と見なすこともあった。
日本が近代化するなかで、公衆浴場における混浴や(人力車夫などが)裸体を露出すること等は近代国家になるためには取り締まり、なくしていかなければならないことだった。
明治期の湯屋(公衆浴場)に対する自治体ごとの取締規則のほとんどには浴槽に男女間の区域を設けることが定められると同時に、「○歳未満の男女は混浴してはならない」と言及されている。
この「○歳」には7歳だったり、10歳だったり自治体ごとに異なる歳が定められている。


今回のこの記事を見て、「家族風呂」という要素があるものの、取締が明治時代からあまり変わっていないことに少し驚かされました。
小野市も他の反論の仕方をすれば、ここまで大きな問題にならなかったのでは。
それにしても、兵庫県のいきなりの指導はいったい何なのだろうと、背景に何があるのかと思ってしまいます。
そして兵庫県生活衛生課の「家族」に対する言い分にも注目。深い意味なく「本当に家族かどうか」と言ったのだと思いますが。出来ることなら、とてもラディカルな「家族」のかたちを提示してくれてもよかったように思います。
テレビのニュースでは、これらの家族風呂の利用者の方々も怒っているそう。
この問題がどう決着するのか、気になります。



asahi.com
http://www.asahi.com/life/update/0916/004.html


兵庫県公衆浴場法基準条例のWebページを探してあったのですが、ページが開かない・・・。
見つけたときに載せます。


小野市HP
http://www.city.ono.hyogo.jp/