「銭湯の代替施設確保」請願採択(京都新聞より)

10月1日より、京都市公衆浴場の料金がそれまでの370円から390円に値上がりしました。


また京都新聞10月7日朝刊、地域・総合欄に次のような記事が。
以下、要約です。


「『銭湯の代替施設確保』の請願採択 与党3会派割れる 市側「予算ない・・・」困惑」
京都高速道路「新十条通」建設に伴い、廃業する京都市東山区の民間銭湯の代替施設の確保を求める請願が、10月6日の市議会本会議で採択された。


十条通建設に伴い、廃業になるのは「寿湯」。この浴場の場所が新十条通予定地にかかり、事業者である阪神高速道路から七月末までに立ち退きを求められている。しかし現在も営業を続けており、9月15日に阪神高速道路が立ち退き訴訟を起こした。
 寿湯は東山区の高齢者を中心に1日約70人が利用する。(立ち退きを求められてから)地域住民が「風呂がなければ生活できない」と、1997年5月に初めて陳情。2005年2月から、自民党など与党三会派が紹介議員になり、市に対して代替浴場の設置を請願していた。
 ところが、自民党内でも賛否が分かれ、結局「厳しい財政状況のもとであり、近くに別の銭湯[1]もある。代替の銭湯建設には市民全体の合意(*)が得られていない」などとし、党議拘束をかけて採択に反対した。
 これに対して、公明党・民主・都みらい[2]、野党の共産党が「公共事業で受けた住民の不利益は、市が責任を持って対応すべき」として賛成する異例の展開を見せ、採択に至った。

 
 請願採択に強制力はないものの、市保健衛生推進室部長は「代替施設の建設は難しい(お金がない)。しかし、議会の判断も無視できない」と困惑している。


記事の内容はここまで。


自民党内部の代替施設への反対意見は、戦後日本の公衆浴場をめぐる議論の発言者から張り倒されそうな意見です。もちろん当時と今ではまったく状況は異なるので、単純な比較は出来ませんが(国レベルと地域レベルという違いもある)。


*なぜ「市民全体の合意」が必要なのか。何に依拠して「市民全体の合意」と言うのか気になるのですが、そこまで調べられていません。
 京都市が小さい市ならこれを言うのは、まだわかるような気がするのですが、京都市の人口は約150万人。そのような比較的大きな市において「市民全体の合意」など出来るのか、東山区一角における一軒の銭湯の代替施設に対して「市民全体の合意」が必要なのか、疑問です。



京都市会ホームページ
http://www.city.kyoto.jp/shikai/
京都まるみえ市 京都市基本情報
http://www.k-marumie.com/know/shi-kihon/
京都府公衆浴場業生活衛生同業組合
http://www.kyoto1010.or.jp/


[1] 寿湯から比較的近いと思われる公衆浴場は泉湯と錦生湯ですが、地図を見る限りそれほど近いとも思われません。
http://www.kyoto1010.or.jp/map07.htm

[2] http://web.kyoto-inet.or.jp/org/kyosiku/minsyu.html