『共同風呂――近代村落社会の入浴事情』

ご挨拶が遅くなりましたが、みなさま今年もよろしくお願い致します。


2008年12月に、以下の本が出版されていました。
白石太良 2008『共同風呂――近代村落社会の入浴事情』岩田書店
ざっと目を通しただけですが、農村地域における集落単位・集落内の「仲間」が共同に設けた浴場施設に焦点がしぼられ、資料だけではなく、アンケートや聞き取り調査にもとづいた、共同風呂についての事実(調査報告等含)の記録というかたちでまとめられています。
(著者は「共同風呂」を「共同で入浴するという形態からは銭湯に類似するが、毎回の入浴に対して入浴料を徴収しない、当番制などにより自主的な維持・管理が行われる、原則として入浴者が特定されているなどの相違点がある」などと定義している。加えて、この研究を人文地理学と民俗学の学際的位置を占めると述べている。)

「? 共同風呂の事例研究」のなかで取り上げられている地域は、鳥取県中部、佐賀県旧北茂安町、愛媛県西部、北海道、沖縄。
「? 共同風呂の調査報告」で取り上げられている地域は、秋田県青森県新潟県・石川県、愛媛県西予市宇和町、北部九州、長崎県
このほか、神戸、明石、大阪、韓国、中国についても記述されています。

ここでの調査報告等は著者による科研報告書に基いているものもあるので、そちらにも目を通した方がよさそうです。